行政書士合格者の前でお話ししたこと
昨日、都内某所で行政書士合格者20名の前で、
「専門の決め方」について、私の想いをお話ししました。
20分にまとめた内容は、だいたい次のようなものです。
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先日、美容院でこんなことを聞かれました。
「上山さんは、どうして大学に行こうと思ったの?」
担当の美容師さんは独身ですが、小学生の甥っ子がいて、
その子を有名大学に入れたくて、
どうしたら「大学に行こう!」という気にさせられるか、
私にヒントをもらいたいと思ったそうです。
私が大学に行こうと思ったのは、単純な理由です。
小学生の頃から教師になりたいという夢があり、
そのためには、必然的に大学へ行かなくてはならなかったのです。
ところが大学4年生の時、
教育実習の担当教授が、私にこんなことを言ったのです。
「理想の教師の会えなかった者は、教師にはならない方がいい。
理想の教師に巡り会えなかった者は、良い教師にはなれない」
私には理想の教師と思える人がいませんでした。
しかも、教育実習に行くと、
宿題を忘れた生徒には罰を与えなさい、
ルールを守らなかった生徒は叱りなさい、と指導され、
私にはそんな教育システムが合わないと感じました。
教育実習が終わると、私は教師の夢を諦めていました。
私には、理想の教師像もなく、
その頃の教育システムに立ち向かう強い意志もなかったのです。
何故こんな話をするかと言うと、
これって、専門を決める時に、
それ以前に、開業を決める時に、つながる話なんじゃないかなと思ったからです。
私は大学を卒業して、都内の住宅メーカーに就職し、
結婚し、出産を機に退職しました。
その後、仕事を見つけるために、子供を保育園に入れるのですが、これが大変でした。
そして、子供が小学生の時に離婚して、正社員を探すのですが、これも大変でした。
私はまだ30代でしたが、ハローワークでは、
「事務職にこだわらずに、軽作業も含めて考えなさい」
と、冷たく言われました。
何とか見つけた派遣社員のコーディネーターの仕事を長く続けることになりますが、
この仕事で、たくさんの女性スタッフの話を聞きました。
私と同じように、お子さんが小さくて保育園がなかなか見つからない人、
離婚して、お子さんを抱えながら仕事をしている人、
結婚していても、旦那さんが病気になってしまったり、リストラに遭ってしまい、
自分が家計を支える状況に置かれている女性は、たくさんいます。
同じ女性として、女性の力になりたい、役に立ちたいという気持ちは、この頃生まれました。
女性応援行政書士として、起業支援をしているのは、
働き方の1つとして、起業という形もあるということ、
最初は副業から始めたり、
何人かで集まって事業を展開することも出来るということを伝えたいんです。
ビジネスモデルを作って、それを広めて行きたいという夢もあります。
そうやって仕事の幅を広げられるのも、行政書士の良い所だと思います。
一般的に、女性は「一生仕事をする」とか「家族を養う」という感覚を身につけていません。
でも現実は、女性が家族を支えている状況がたくさんあるんです。
経済的に自立することが、女性の幸せにつながる。
私はそう信じています。
女性だけをターゲットにするなんて、売上につながらないんじゃない?
そんなアドバイスも時々いただきますが、
想いが強いので、これからも女性応援行政書士を続けて行きます。
小学生からずっと見ていた夢が、大学4年生の時にあっという間に崩れてしまったように、
具体的なイメージや強い意志がなければ、想いはなかなか続かないと思います。
自分が何をしたいのか、誰の役に立ちたいのか、何をしている時が幸せなのか、
そして、自分が持っている才能はなんなのか、
よく考えて、しっかり答えを出してから開業してください。
会社を辞めようと思っている人は、どうして辞めるのか、それもしっかり考えてください。
考えを書き出して、言葉にする。
まずは、そこから始めてください。
そして開業したら、どうか強い意志で続けてください。
私も皆さんと変わらない位置にいますので、
一緒に成功して行けるよう、これからも頑張って行きます。